NEAT倍増ルーティン”で座りっぱなしでも代謝が落ちない体質に コメントする / パーソナルトレーニング / By shizuka / 2025年10月3日 はじめに 「毎日8時間のデスクワーク」「リモートワークで家から出ない」「気が付けば1日中座りっぱなし」ーー現代人の多くが抱える悩みです。そして、このような生活を続けていると、「昔と同じ食事量なのに太りやすくなった」といった変化を感じている方も多いのではないでしょうか。この問題の根本原因は、NEAT(非運動性活動熱産生)の大幅な低下にあります。本記事では、座ったままでも、デスクワーク中でも実践できるNEAT倍増ルーティンをご紹介します。 NEATとは何か?ー代謝の隠れた主役 <NEATの基本定義> NEAT(Non-Exercise-Activeity-Thermogenesis)は、い意識的なスポーツや筋トレ以外のすべての身体活動で消費されるエネルギーを指します。具体的には以下のような動作が含まれます。 ・立っている、歩いている ・姿勢を維持する ・手足を動かす、体位を変える ・内臓の動き ・体温調節のための震えや発熱 <1日のエネルギー消費における比重> 健康な成人の1日のエネルギー消費は、以下の4つの要素に分けられます。 1.基礎代謝(BMR):約60-70% 2.NEAT:約15-30% 3.食事誘導性熱産生(TEF):約8-15% 4.運動による消費(EAT):約15-30% 注目すべきは、NEATの消費量が運動による消費と同程度、場合によってはそれ以上になることです。 <個人差が最も大きい代謝要素> 興味深いことに、NEATは個人差が非常に大きい代謝要素です。同じ身長・体重・年齢の人でも、NEARの消費量は1日当たり300-800kcalもの差が生まれることがあります。 この差を生む要因は ・職業(デスクワーク、立ち仕事) ・生活習慣(エレベーター使用、階段使用) ・性格特性(じっとしていられない、静かに過ごす) ・環境(車移動、徒歩通勤・通学、自転車通勤) つまり、NEATを意識的に増やすことができれば、同じ食事量でも太りにくい体質を作ることができるのです。<数字で見る「座りっぱなし」の代謝影響>研究データによると、以下のような数値が報告されています。・立っているだけで座位の1.5倍の代謝:座位50kcal/時→立位75kcal/時・1日8時間座る人は、4時間の人より年間約18kg分のカロリー消費減・3時間ごとに立ち上がるだけで、血糖上昇を23%抑制これらの数値は、日常の小さな習慣変化が、長期的に大きな代謝の差をうむことを示しています。 デスクワーク中にできるNEAT倍増ルーティン 30分タイマールーティン 最も簡単で効果的なのが、30分ごとのタイマー設定です。スマートフォンやパソコンで30分間隔のアラームを設定し、鳴ったら以下の動作を1-2分行います。ルーティン① 「立ち上がり+足踏み」効果:下半身の大きな筋肉群を活性化し、血流を一気に改善ルーティン② 「肩甲骨+首回し」1.肩甲骨を後ろに引く(10回)2.肩を大きく回す(前後各5回)3.首をゆっくり左右に倒す(各10秒)4.首を前後にゆっくり動かす(各5秒)効果:上半身の血流改善、肩こり予防、頭部への血流向上 座ったままできる「こっそりNEAT」 会議中やオンライン通話中でも、相手に気づかれずにできる動作です。①つま先・かかと上げ・つま先を上に向けて5秒キープ・かかとを浮かせて5秒キープ・交互に繰り返す(10セット)・消費カロリー:約3-5kcal/分②太もも引き締め・太ももに力を入れて筋肉を硬くする・5秒キープして力を抜く・消費カロリー:約4-6kcal/分③お腹引き締め(ドローイン)・息を吐きながらお腹をへこませる・自然な呼吸でその状態を30秒キープ・3セット繰り返す・消費カロリー:約2-3kcal/分 作業効率も上がる「動きながらワーク」 1)スタンディングデスクタイム・1時間に15分間、立って作業・足踏みや体重移動を加える・追加消費カロリー:約20-30kcal/時間2)ウォーキングミーティング・電話会議を歩きながら実施・スマートフォンのイヤホンを使用・消費カロリー:約100-150kcal/分3) プリンター往復の活用・印刷時は必ず自分で取りに行く・遠回りして歩数を稼ぐ・階段がある場合は積極的に利用 在宅ワーク特化の「ながらNEAT」 家事との組み合わせテクニック 在宅ワークの利点を活かし、仕事の合間に家事を組み込むことで、NEATを大幅に向上させることができます。①選択物干し・たたみタイム例)洗濯物を干しながら足踏みやスクワット、洗濯物を畳みながらストレッチ など②掃除機掛け+筋トレ例)掃除機をかけながら大きな歩幅で移動 など③料理準備の立ワーク例)野菜を切りながら太もも上げ、煮込み時間中にその場足踏み など リモート会議中の「見えないNEAT」 ◎下半身エクササイズ:カメラに映らない下半身を使った運動で、会議参加中もNEAT向上が可能。例)かかとの上げ下げ、膝の屈伸、足首回し◎体幹トレーニング例)背筋を伸ばして腹筋に力を入れる、肩甲骨のストレッチ、深い腹式呼吸 まとめ 現代社会において、座りっぱなしの生活はもはや避けることのできない現実です。しかし、その中でもNEATを意識的に向上させることで、代謝が落ちない体質を維持することは十分に可能です。重要なのは、「完璧な運動」を目指すことではなく、日常生活の中で「ちょっとずつ、こまめに」動く習慣を身につけることです。30分ごとの立ち上がり、座ったままでできる筋肉刺激、移動時間の有効活用など、小さな積み重ねが大きな代謝の差を生み出します。 執筆者 小林寛史 大手パーソナルトレーニングジムで勤務後に独立。岐阜市、本巣市、各務原市、羽島市でダイエット専門のパーソナルトレーニングジム「LIFEMAKE」を経営しています。パーソナルジムと聞くと「短期的」「キツイ」「敷居が高い」と思われる方が多いですがLIFEMAKEではダイエット初心者の方向けに、無理をしない中長期のダイエットのサポートを行っています。