NEAT倍増ルーティン”で座りっぱなしでも代謝が落ちない体質に

はじめに

「毎日8時間のデスクワーク」

「リモートワークで家から出ない」

「気が付けば1日中座りっぱなし」


ーー現代人の多くが抱える悩みです。そして、このような生活を続けていると、「昔と同じ食事量なのに太りやすくなった」といった変化を感じている方も多いのではないでしょうか。

この問題の根本原因は、NEAT(非運動性活動熱産生)の大幅な低下にあります。

本記事では、座ったままでも、デスクワーク中でも実践できるNEAT倍増ルーティンをご紹介します。

NEATとは何か?ー代謝の隠れた主役

<NEATの基本定義>

NEAT(Non-Exercise-Activeity-Thermogenesis)は、い意識的なスポーツや筋トレ以外のすべての身体活動で消費されるエネルギーを指します。具体的には以下のような動作が含まれます。

・立っている、歩いている

・姿勢を維持する

・手足を動かす、体位を変える

・内臓の動き

・体温調節のための震えや発熱


<1日のエネルギー消費における比重>

健康な成人の1日のエネルギー消費は、以下の4つの要素に分けられます。

1.基礎代謝(BMR):約60-70%

2.NEAT:約15-30%

3.食事誘導性熱産生(TEF):約8-15%

4.運動による消費(EAT):約15-30%


注目すべきは、NEATの消費量が運動による消費と同程度、場合によってはそれ以上になることです。


<個人差が最も大きい代謝要素>

興味深いことに、NEATは個人差が非常に大きい代謝要素です。同じ身長・体重・年齢の人でも、NEARの消費量は1日当たり300-800kcalもの差が生まれることがあります。

この差を生む要因は

・職業(デスクワーク、立ち仕事)

・生活習慣(エレベーター使用、階段使用)

・性格特性(じっとしていられない、静かに過ごす)

・環境(車移動、徒歩通勤・通学、自転車通勤)


つまり、NEATを意識的に増やすことができれば、同じ食事量でも太りにくい体質を作ることができるのです。


<数字で見る「座りっぱなし」の代謝影響

研究データによると、以下のような数値が報告されています。

・立っているだけで座位の1.5倍の代謝:座位50kcal/時→立位75kcal/時

・1日8時間座る人は、4時間の人より年間約18kg分のカロリー消費減

・3時間ごとに立ち上がるだけで、血糖上昇を23%抑制


これらの数値は、日常の小さな習慣変化が、長期的に大きな代謝の差をうむことを示しています。

デスクワーク中にできるNEAT倍増ルーティン

30分タイマールーティン

最も簡単で効果的なのが、30分ごとのタイマー設定です。スマートフォンやパソコンで30分間隔のアラームを設定し、鳴ったら以下の動作を1-2分行います。


ルーティン① 「立ち上がり+足踏み」

効果:下半身の大きな筋肉群を活性化し、血流を一気に改善


ルーティン② 「肩甲骨+首回し」

1.肩甲骨を後ろに引く(10回)

2.肩を大きく回す(前後各5回)

3.首をゆっくり左右に倒す(各10秒)

4.首を前後にゆっくり動かす(各5秒)

効果:上半身の血流改善、肩こり予防、頭部への血流向上

座ったままできる「こっそりNEAT」

会議中やオンライン通話中でも、相手に気づかれずにできる動作です。


①つま先・かかと上げ

・つま先を上に向けて5秒キープ

・かかとを浮かせて5秒キープ

・交互に繰り返す(10セット)

・消費カロリー:約3-5kcal/分


②太もも引き締め

・太ももに力を入れて筋肉を硬くする

・5秒キープして力を抜く

・消費カロリー:約4-6kcal/分


③お腹引き締め(ドローイン)

・息を吐きながらお腹をへこませる

・自然な呼吸でその状態を30秒キープ

・3セット繰り返す

・消費カロリー:約2-3kcal/分

作業効率も上がる「動きながらワーク」

1)スタンディングデスクタイム

・1時間に15分間、立って作業

・足踏みや体重移動を加える

・追加消費カロリー:約20-30kcal/時間


2)ウォーキングミーティング

・電話会議を歩きながら実施

・スマートフォンのイヤホンを使用

・消費カロリー:約100-150kcal/分


3) プリンター往復の活用

・印刷時は必ず自分で取りに行く

・遠回りして歩数を稼ぐ

・階段がある場合は積極的に利用

在宅ワーク特化の「ながらNEAT」

家事との組み合わせテクニック

在宅ワークの利点を活かし、仕事の合間に家事を組み込むことで、NEATを大幅に向上させることができます。


①選択物干し・たたみタイム

例)洗濯物を干しながら足踏みやスクワット、洗濯物を畳みながらストレッチ など


②掃除機掛け+筋トレ

例)掃除機をかけながら大きな歩幅で移動 など


③料理準備の立ワーク

例)野菜を切りながら太もも上げ、煮込み時間中にその場足踏み など

リモート会議中の「見えないNEAT」

◎下半身エクササイズ

:カメラに映らない下半身を使った運動で、会議参加中もNEAT向上が可能。

例)かかとの上げ下げ、膝の屈伸、足首回し


◎体幹トレーニング

例)背筋を伸ばして腹筋に力を入れる、肩甲骨のストレッチ、深い腹式呼吸

まとめ

現代社会において、座りっぱなしの生活はもはや避けることのできない現実です。

しかし、その中でもNEATを意識的に向上させることで、代謝が落ちない体質を維持することは十分に可能です。重要なのは、「完璧な運動」を目指すことではなく、日常生活の中で「ちょっとずつ、こまめに」動く習慣を身につけることです。30分ごとの立ち上がり、座ったままでできる筋肉刺激、移動時間の有効活用など、小さな積み重ねが大きな代謝の差を生み出します。

執筆者

大手パーソナルトレーニングジムで勤務後に独立。

岐阜市、本巣市、各務原市、羽島市でダイエット専門のパーソナルトレーニングジム「LIFEMAKE」を経営しています。パーソナルジムと聞くと「短期的」「キツイ」「敷居が高い」と思われる方が多いですがLIFEMAKEではダイエット初心者の方向けに、無理をしない中長期のダイエットのサポートを行っています。

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